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信。

2008/06/19(木) 01:50:31
疑心暗鬼の泥沼でもがくわたしは、
その想いを正直に彼に、打ち明けた。

全てを無にする覚悟が、出来ていただろうか…?
出来たからこそ、行動できたと思ったけれど、
今にして思えば、『全てを無に』というのは
彼との関係ではなく…自分自身の事だったかも知れない。

彼は、突然の呼び出しに応じてくれた。
わたしの話を聞いても、怒らなかった。
夕闇に沈む海辺の公園で、
わたしの頬をペチペチと叩きながら、
色んな言葉を注いでくれた。

  他人の基準に自分を合わせようとするな。
  もっと自分の事を考えろ。
  そして、自分を信じろ。


『俺を信じろ』とは、言わなかった。
他人の基準に合わせるなと言うのだから、
彼の基準にも合わせるなと言う事か。
彼に依存させない為かも知れない。
『信じた方が悪い』というような、
後々の逃げ口上の為ではなく…
彼自身が本当に自分を
信じているのだという事が、伝わった。

長年連れ添っていた相手の本性に、気付いていなかった。
だから自分の判断など信じられないと思う。

でも本当に?
本当に気付いていなかったか?

気付いていた。
自分には被害が及ばないから、
見て見ぬフリをしていただけ。
その矛先が自分を向いた時の事を、
想像出来ていなかっただけ…。


話が一段落した後、言った。

  今日は…ごめんなさい。

  違う。

彼がわたしの頬を叩く。

  俺の視点から言うな。
  お前基準で考えろと言ってる。


どういう意味か…咄嗟には解らない。
少し考えて、言い直す。

  今日は、どうもありがとう。

  そうだ。
  それでいい。


彼の微笑みは、やはりわたしを
心底リラックスさせるものだった。