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玩具に

2008/02/01(金) 20:01:35
今日、避妊リングを入れに行った。

彼に携帯メールでそれを報告したら、彼から返事が来た。


  お前は玩具になったんだな。


そうか…。
わたしは、まだチャンスが残っているにも関わらず、子どもを産む事を、自分の意思で拒否し、その為の処置を受けた。
これはわたしが、これからは彼の玩具に徹すると覚悟したことの表れでもある。


夫との間で子どもが出来ず、離婚寸前、今後も子どもを産んで育てる気はないし…という程度の気持ちで受けた処置だった。独身の頃の様に、今月は大丈夫だろうか…という思いを毎月するのは煩わしいから。
けれど、「玩具になった」という彼の言葉は、なんだか自分が重大な選択をした様な、そんな気持ちにさせられた。
一瞬だけ、この選択は正しかったのだろうか…という不安を覚えた。


使えない

2008/02/18(月) 04:24:54
避妊リングを入れてからこっち、身体がおかしい。

医師には、生理痛がきつくなるかも知れないと聞いてはいた。
けれどこの痛みは、きつくなるなんてレベルを超えている。
時々、子宮に疼痛が走る。
呻き声が出て、蹲ってしまう程の痛み。

周期も不順になった。
これは、リングを入れる前から出た症状なので、リングの所為ばかりとは言い難い。
5年もセックスレスだったところに、突然執拗に責め立てる男性器が出現して、わたしの身体の牝な部分が、大混乱しているのかも知れない。
月に何度も訪れる、招かれざる客…。



逢瀬当日の朝、生理が来た。
彼にメールする。
彼は、血を見るのは嫌だと言っていたから…
(その言葉に、何故かわたしは少し落胆したのだけれど)

  おまえに突っ込んだら、俺のチンポが血に染まるのか…
  今日は逢うのをやめておこう。
  おまえ風邪もひいてる事だし、ゆっくり休め。
  体調万全なおまえで逝きたい。


そう返事が来て、逢瀬は流れた。


子を産む道具になれなくて…
ならばいっそ、性処理玩具になってしまえと考えて、今の状態になったのに、玩具としても、この有様…

自分の使えなさが、情けない。



被虐嗜好

2008/03/19(水) 00:11:52
わたしの身体は、彼の加虐に反応する。

決して、痛みを気持ちよく感じている訳ではない。
痛みは痛み、それ以外のなにものでもない。
それなのにわたしの身体は、それを快感に変換し、わたしの秘部をしとどに濡らす。



何度目の逢瀬の時だったろう。
ベッドで抱き合って愛撫しあいながら、

  痕が残ってもいいから…
  お願い…わたしを噛んで…


彼に、そう懇願した事がある。
夫はもう、わたしに手を触れない。
それを確信した直後だった。

彼は一瞬、迷う様な表情を浮かべた後、わたしの乳首を舌で転がしながら、ゆっくりと歯を立てていった。

  い…いい゛ーーーーーーーっ!!

自分の声かと思う様な悲鳴が出た。
わたしとしては、肉食獣が獲物を食む様に、口を大きく開けて噛む事を求めたつもりだった。
局部的に乳首だけを噛まれるとは、全く予想していなかった。
その驚きが、激痛に拍車をかけた。
彼の方は、一度加虐を始めると夢中になるのだろうか、もう片方の乳首にも噛み付いた。

  ぎぃぃーーーーーーっ!!

金属的な悲鳴が出た。
そんな声を聞いても、彼は怯まない。力も緩まない。
それどころか、暴れるわたしの身体を押さえ込み、ギリギリと歯を立て続ける。

痛い痛い痛い痛い痛い……

自分で要求しておきながら、その痛みに挫けそうになる。
けれどもわたしはその時、自分の女陰が燃える様に熱くなり、溢れ出し、とろとろと滴り落ちるのも感じていた…。



この日のわたしは、いつにも増して、自分を壊してしまいたかった。
痛め付けて欲しかった。
当時はまだ、優しさの鎧を強固に纏っていて、わたしを壊してくれる人なのかどうか判断の付かない彼に、少し焦れる気持ちもあったと思う。

行為の後、乳首から唇を離し、

  相当力入っちまったぞ。
  大丈夫か。
  血、出てないか…。


と呟いた彼。

今にして思えば、わたしの乳房は傷付けたくない、という気持ちから出た言葉だったのだと思う。
当時のわたしは、わたしの身体を気遣ってくれているのだと解釈した。
勿論、そういう意識も彼にはあるだろう。
純粋にわたしの身体を気遣っているのか、今は気に入っている玩具をまだ破壊したくないのか…そこは判断が難しい処だけれど。


その日の彼は、わたしに色んな事をした。
縛って拘束した上で…
ヴァギナにバイブを突っ込んで掻き混ぜる…
指を突き入れて、ぐちゃぐちゃに掻き回す…
色んな体位を取らせて、ペニスを突き立てる…

その後、薄く冷たい笑みを浮かべて言った。

  お前が、何を一番悦ぶか把握した。
  一番好きなのは、やっぱりこいつだな?


そう言いながら、再びわたしをペニスで貫いた。

  あ…あ…そう…Tさんのが…一番好き…。
  ああっ…凄い…素敵…。


彼にしがみ付いて、悶える。

この時彼はきっと、わたしがどういう行為にどう反応するのか、その性能を確かめていたのだろう。
わたしも、彼を試したのだと思う。
一度噛んだ後は、躊躇いを見せずに力を込め続けた彼…。
この人なら、わたしをいつか壊してくれる…。
要求を聞いて一瞬逡巡したのは、今なら彼が、己の自制心を危ぶんだのだと理解できる。
このわたしの願望と、それが満たされた時の反応は、彼の加虐にある程度まで対応できると、彼にも教える事になっただろう。

  これからが、愉しみだな。

答える代わりにわたしは、しがみ付く腕に力を込めた。



疼き

2008/03/26(水) 14:41:15
仕事中、何の前触れもなく、
突然呼吸が苦しくなる。

自分の両肩を抱き締めて
蹲りそうになる。

泣きながら何かを叫びたくなる。
何をかは判らない。

彼からメールが来る。

  そろそろ俺が欲しくなっているだろう?

その通りだ。
そして気付く。

これが、わたしの、身体の疼き方なのだ、と…



被虐で得るもの

2008/03/28(金) 15:06:09
初めてお仕置きを受けた日…。

彼と別れて帰途についたわたしの携帯に、彼からのメールが届いた。

  お前の泣き顔は、凄く可愛かった。
  俺の大事な乳首を傷付けたのは残念だったが、
  血を舐め取るのは、愉しかった。


彼は、血を見るのは嫌だと以前言っていた。
けれども今回、愉しいと感じたのなら、今後は、血を見る事を躊躇しなくなるかも知れない。
そしてそれは、彼の責めのバリエーションに、影響するかも知れない。
そんなことを、考えた。


わたしは、痛みに対して我慢強い。
決して痛みを感じぬ訳ではない。
感じてはいるのだが、それを痛みと認識し、表現したり回避したりすることが不得手だ、とでも言えばよいのだろうか。

例えば、わたしは手に故障を抱えている。
PCを使う仕事をしている為、忙しくなると手が酷使され、痛み始める。
しかし仕事中は、その痛みを意識から追い出してしまえるのだ。
全然動かせなくなってしまうまで。

かかり付けの接骨院では、
『痛みというのは、
 身体からの限界だというメッセージなのだから、
 痛みを感じたら安静にして、すぐに来なさい。』
と、口を酸っぱくして言われている。
一応普通の社会人の仮面を被って生活している以上、仕事に差し障りが出ない様に、注意はしているつもりなのだが…。

こんなわたしが、彼の責めを受けている間、身体のダメージを正しく認識しなかったら、一体どんなことになってしまうのか…。

そこまで考えて、気付く。
痛みを堪える事に慣れてしまっているわたしが、彼のお仕置きでは、理性を失って子どもの様に泣き叫んでしまった…。
これは、それ程の痛みを与えられたという事であり、それを表現する事を躊躇わなかったという事だ。
そしてその後の、今まで経験したことのないような安心感と解放感…。

自分の感情を遮断する癖を持ち、痛みや苦しみを意識の外に追い出して認識しない様にし、周囲から『男っぽい』『明るくて豪快』などと言われながら、生きているわたし。
けれども、それでは精神の均衡を保てなくて…。
自分の中に沈殿しているものを、激流で一掃してしまいたくて…。
だからわたしは、責められることを求めてやまないのだろう。
それも、わたしに感情をぶつけてくる人ではなく、わたしを大事に扱ってくれる人の手によって。
感情表現の延長として虐げられるのは、嫌というほど経験していて、もう勘弁して欲しいから…。


そしてわたしは、自分の身体の限界を、正しく認識できるようにならねばならない。
彼が、少しでも長く、快適にわたしを使える様に。
わたしに、決定的なダメージを与えさせてしまわぬ様に。
無論彼は、わたしを完全に壊さぬ様、気をつけてはいるだろうけれども、彼にばかり、自制心との熾烈な闘いを強いる訳にはいかない。
彼とて、今まで抑圧してきた加虐の欲望を、心置きなく、存分に発散したい筈なのだから…。



装う

2008/04/25(金) 13:29:32
数年ぶりに、手足の爪を手入れする。

ファイルで形を整え、ペディキュアを施す。
ベースコートから始まり、トップコートや速乾オイルまで念入りに。

手の爪は、どうしよう。
ラウンドカットとスクエアカット、彼はどっちが好みだろう?
取り敢えず今は、切り揃えた自然な状態にとどめ、キューティクルオイルを塗って、丹念に馴染ませる。


昔のわたしは、化粧もろくにしないくせに、ネイルケアにだけは余念がなかった。
食器を洗うにも支障を来たす程に長く伸ばし、爪の弱さを理由に、スカルプチュアまで施していた。

  顔は、自分からは鏡を見ない限り
  見えないからどうでもいい。
  でも手は、毎日常に見ているから、
  綺麗にしておきたい。

そう放言して、憚らなかった。

周囲の人も、綺麗なものを見たいと思っているという事を慮れば、自分の身なりについての考えも、多少は変わったであろうものを…。



数年ぶりに、装う事を考えているわたし。
のみならず、装いに対する意識も、変化しているわたし…。



変わる身体

2008/05/20(火) 00:45:07
彼に、この身体を使われる様になってから、彼からまず要求されたのは、柔軟性を身につけることだった。

当時のわたしは、両足を前に投げ出して座った状態で前屈しても、足先に手が届かない程、身体が硬かった。

  色んな体位で使いたいのに、
  こんなに身体が硬いんじゃ、
  俺が好きにしたらお前は苦しいだけだろう。


そう言って彼は、わたしに基本的な柔軟運動を教えてくれた。
わたし自身も、ネットで調べたり雑誌を読んだりしながら、就寝前のストレッチを習慣化させた。

…とは言っても、完全に習慣となったのは、ここ1ヶ月程度の事。
それでもわたしの身体は、前に投げ出した両足の踵を、両手で掴める程度には柔らかくなった。
開脚も、前よりは広げられる様になった。


そして、15回目の逢瀬の時…。

彼は、わたしの中で果てた後、言った。

  まだ逝くつもりじゃなかったんだがな。
  お前が少し柔らかくなったからかな、
  当たったことのない処に当たって、
  今まで味わったことのない感覚で…
  凄ぇ気持ち良かった…。


わたしの方は、例によって例の如く、何度も何度も逝き続けていたから、そんな感覚があったかどうかすら、定かではなかった。

  そうなの…?
  それじゃ、逝くつもりじゃなかったけど、
  逝く事にしたの?
  それとも…?


彼は、ちょっと照れ臭そうな笑みを浮かべた。

  逝くつもりじゃなかったけど、
  逝っちまったんだよっ。



わたしは、彼の性処理玩具。
彼の欲望を満たし、
彼をひたすら気持ち良くさせる事が、
わたしの役目であり、
わたしの悦び…。

だから、少しの柔軟性を身につけた事で、彼の理性を凌駕する快楽を与えられたという事実は、とても嬉しいことだったし、続けてきたことの成果が出て、努力が報われたと感じた瞬間でもあった。

もっと、もっと、
彼を気持ち良くさせる身体になりたい。
もっと、もっと、
この身体で彼に愉しんで欲しい…。

それだけを胸に、わたしは今夜も、自分の身体を変える為の運動に、精を出す…。



2008/05/25(日) 00:04:09
彼の言う『卵』とは、わたしの下腹部の、脂肪のことだ。


  お前…何か、バルクアップしてないか?

いつの事だったか、彼がポツリとそう言った。

  バルクアップ…?って、なに?

彼は無言で、わたしの下腹部をぐいっと掴む。

  きゃー!
  いやぁー!


小娘の様な、ふざけた悲鳴を上げて誤魔化そうとするが、彼の手の力は緩まない。

もともと、口が裂けてもスタイルが良いなどとは言えないわたしだったが、彼と出逢って後も、どうやら体重を増やしてしまったらしい。

あの当時のわたしは、自分に全く関心が無かった。
わたしなんて、どうなってもいいと考えていた。
大体、本性は極めて臆病者のわたしが、出会い系サイトで知り合って、ちょっとメールを交わしただけの相手と、ラブホテルという密室で会うなど…精神が正常に機能している時には、考えられない行動なのである。
それ程、自分の生命に関心が無かったのだ。
生命にすら関心を持てないわたしが、外見になど拘る訳もない。
それ故、彼に指摘されるまでは、体重が増えた事に気付いてもいなかった。

  デブは…嫌い?

  極端にデブでなければ、気にならん。
  俺は、俺のやりたい事が出来る身体が
  傍にあれば、それでいい。
  それにしても…。


彼は、わたしの下腹部をグイグイと揉み続ける。

  何が入ってるんだこれは。
  卵か。何か産む気か。
  物体Xが飛び出してきそうだぞ。


  物体Xは、卵から出てこないよぉ。
  卵から飛び出すのは、エイリアン。


  そうだっけ?
  ま、それはともかく。
  これ以上、卵が増えん様にだけ
  気を付けた方がいいな。


  …はぁい。

この時は、それで済んだ。


それから暫く経って、彼が完全緊縛マニュアル 中級編を観ながら言った。

  この縛り方を試してみたいんだが…。
  今のお前の体格では、
  出来んだろうな…。


それは、両手両足を背後でひとつに纏められ、荷物のように持ち上げられる縛り方だった。

  柔軟性も心配だが、
  それより危なそうなのが、
  この胴体に回す縄だ。
  体重があればあるだけ、
  お前の身体には凄い負担だろう。


  …それに、Tさんが、
  持ち上げられないと思う…。


  ああ。それもある。
  お前、もうちょっと卵を減らせ。


とうとう、ダイエット命令が下された。

  食い物で痩せようとするな。
  運動だ。運動しろ。
  お前のことだ、どうせ普段は、
  仕事が終わったら、
  家でじーっとぼーっとしてるんだろう?


  …う…うん…。

  それと、ブログにあった
  『毎日見ている絶望』っての。
  あれは、家が散らかってるって事だろう?


  …はい。

  片付けろ。
  とにかく何でもいい、
  身体を動かせ。
  判ったな?


  …はい。


そう約束したのは、いつだったか…。
確か、カーセックスをする前だったと思う。

それなのにわたしは、一向にシェイプアップしなかった。
家の片付けも、進まなかった。
相変わらず、自分を憐れんだり憎んだりしながら…そんなわたしでもいい、という言葉だけを求めて、自堕落に生活していた。
そして…その状態は、今回のお仕置きの原因にもなった出来事を、呼び込んでしまう…。



扉の向こう...(1)

2008/06/10(火) 20:54:47
  一万回、お前を突きたい。
  突きまくられて、
  感じまくって、
  お前がどう壊れるのかを見たい。


常々彼が口にするこの欲望を実証するかの如く、わたしを抱いている時の彼は、わたしから決して視線を外さない。
わたしの動作、わたしの表情、わたしの喘ぎ声や悲鳴を全て、何の感情も浮かばぬ瞳に観察者の冷徹な光のみを湛えて見据え、味わっている。


彼が、わたしの中を削り続ける時間は、逢瀬を重ねるごとに長くなっている。
わたしがいくらかの柔軟性を身につけた事で、わたしの関節から返ってくる反発が少なくなり、その分、体力を消耗せずに済んでいるからなのだそうだ。

彼の抽送は、わたしが失神しても止まらない。
突き入れる角度や深度、速度などを変化させ、わたしが覚醒する様に仕向ける。
『もう嫌』と言っても、『痛い』と言っても、彼の表情は全く変化せず、抽送をやめてくれる事もない。
やめるのは、彼がやめたくなった時だけ…。

そんな彼の腕の中でわたしは、悦楽と苦痛とを同時に味わいながら、逝き狂い、悶え狂っている…。




興味と関心

2008/10/17(金) 18:15:32
3週間ぶりに、彼に逢った、ある日。

開口一番、彼が言った。

  お前…何度か脱皮したな。


すぐに脳裏に浮かんだのは、『一皮剥ける』という表現だった。

今後、何処でどう生活していくか…という選択を迫られている身としては、懊悩しながらも様々な取捨選択を繰り返しているうちに、外見から推察される精神的変化でも見せているのだろうか。
そう思った。


一緒に、彼の住む部屋に向かう。

彼の部屋の前の廊下には、ジョロウグモが見事な巣を張っていた。

  わぁ…このクモ、大きくなったねぇ。

彼もわたしも、クモに対しての忌避感が全く無い。
目に入る場所に巣を張られても、直接邪魔になる事がなければ巣は壊さないし、時々観察するのを楽しんだりもする。

  だろう?

彼が、答える。

  こいつな…。
  脱皮する度に、大きくなってくんだ。


  うん、クモってそうだよね。

  お前は…一体何回脱皮した?

  …はい?

  暫く見ない間に、随分デカく
  なってるじゃねえか!
  この短期間に、何食えば
  そんなに育てるんだ!?



やっと、理解した。
彼は、わたしが肥ったと言っているのだ。

  脱皮って…そういう意味…。

特に、食生活に変化があった訳ではない。
それでもわたしは、周囲が驚く程の速度で肥える時がある。
大抵、大きなストレスを抱えている時だ。
そしてわたし自身は、自分の見た目に無頓着な為、誰かから指摘されるまで肥えた事に気付かないのだ。
ストレスが、わたしの体型に、どんな影響を与えているのかは判らない。
けれども、解消されると、自然に元の体型に戻るらしい。
この時も、急に痩せたね、と驚かれるから、それと気付く。

無頓着なのは、体型の変化に対してだけではない。
自分がストレスを感じているという事に対しても、同様だ。
つまり、胃が痛む様になったり、急に肥った事を指摘されたりした時に、自分が大きなストレスを抱えている事に、初めて気付く。
まるで他人事の様に、『ああ…どうやらこの状態は、わたしにとってストレスらしい…』と、認識するのだ。


  …ま、今の状況のお前に、
  体型にまで気を配れ、と言うのは、
  ちと酷だろうな。
  だが…来年中には痩せろよ。
  出来なけりゃ棄てる。



結局のところ、わたしが自分自身に無頓着なのは、自分を慈しむ事が、出来ずにいるからなのだろう。
風邪をひきかけたら早めに養生する…などといった体調管理は行うが、これは自分の為ではなく、会社に迷惑をかけない為だ。


自分の体型に気を配る事、すなわち自分に興味と関心を持つこと…。



出来るだろうか、わたしに…。




発情

2008/12/21(日) 02:46:47
突然、発情期が訪れる。

思いも寄らぬものに触発され、身体の中で、
蜘蛛や百足がザワザワと蠢動している様な感覚が、
わたしの精神を侵食する。

パソコンを起動し、淫らな動画を、観る。
海外の、無修正動画サイトだ。

外国人特有の巨根が、女性の喉の奥に突っ込まれる。
頭を押さえつけられ、女性も目を白黒させている。

蛇の様な眼をした彼が、わたしの喉の奥まで突っ込んだ時の、
頭を掴んだ手の力の強さと、その苦しさを、思い出す。

蠢動が、下腹部に集中し始める。

ファックシーンは、後ろから激しく責め立てられているのが、いい。
ガツンガツンと突かれながらお尻を叩かれたり、
髪を引っ張られて喉が反り返ったり、
顎を鷲掴みにされたまま突き続けられたり、
そういうファックシーンが、いい。

身体の逃げ場を封じられた状態で、
彼が、後ろからわたしを使い、
そのペニスの到達する奥深くに、
激痛なのか快楽なのか判らない感触を打ち込まれ、
意識朦朧となる時を、思い出す。

下腹部の一点が、熱を持つ。
何本か観ているうちに、潤い始める。
身じろぎをすると、ぬるぬるとした淫らな液が、
溢れているのを感じる。

今すぐに、激しく、掻き回したい。
持っている道具を、思い浮かべる。
どれも、ひとりの時に使いたいとは思えない。
彼は、こんなに冷たくない。
彼は、こんなモーター音なんか、させない。
そう思った途端に、熱が一気に冷めていくからだ。

ここを鎮める事が出来るのは、生きた男性器だけ。
彼の、熱くて硬い、ペニスだけ。

両足を捩り合わせて、指すらも使わない。
そうしていると、わたしの一番敏感な核に、
微かな刺激が伝わり、身体が小刻みに震えてくる。

Tさん…

その名を唇に乗せた瞬間、呼吸が止まり、身体が硬直する…。


弛緩して、息を弾ませる。
これも、自慰行為による絶頂なのだろうか。
ぼんやりと、考える。
こんなに欲情してしまったのは、久しぶりだ。
月のものが終わりかけている事も、関係しているのだろう。

トイレに入り、生理用品を交換しようとする。
いつもの場所にあるべきものが、無い。
慌ててしまう。
激しく発情したわたしのヴァギナが蠢いて、
生理用品の紐を、中に手繰り込んでしまっていた。




抜歯

2008/12/31(水) 00:02:40
最近お世話になっている歯医者さんで、八重歯の抜歯を相談する。

そこは、異様に歯医者を怖がるわたしに対して、どういう治療をするのかとても丁寧に説明し、不安を減じようとしてくれる半面、患者の苦しみが歯医者の愉しみ…なんて言う、わたしにとっては余りに怖過ぎるブラックジョークを飛ばしてきたりもする、少しお茶目な先生が居る。
良心的で、腕も良く、歯に関する事なら、何でも気軽に相談できる。
それでも、まさか『フェラチオの邪魔になるんです』とは言えないので、体調が悪くなると根元が腫れて痛くなるから…というのを、理由にした。
丁度良い事に、疲労が溜まっていた為か、八重歯は根元の炎症を起こしてくれていた。

抜歯の日取りを決め、それまで服用する抗生物質を受け取る。
『前歯なんて、滅多に抜く機会ないですから、
 僕も楽しみですよ。ふふふ』
なんて、ぞぉっとする様な先生の冗談を背に、帰宅した。
とは言うものの、抜歯を決意出来たのは、口はともかく腕の良い歯医者に心当たりがあった事も、大きいだろう。
彼に、『抜く事にしました』とメールするが、それに関する反応は、やはり無い。
わたしを怖がらせ、緊張させる事が大好きな彼なのに、何故だろう…?
歯医者に関するトラウマの話をした事が無かったのは、抜歯が終わって落ち着くまで、思い出せなかった。

抜歯当日。
『いよいよですね。
 緊張してきましたか?ふふふ…』
歯医者さんは、妙にテンションが高い。
抜歯が大好きだ、と言っていたのは、もしかしたら、ブラックジョークでは無く本気だったのかも知れない。
麻酔を打たれている間は、緊張の余り、呼吸すら出来なかった。
効いてくるまで放置されるのも、無意味に甚振られている様な気がしてくる。

いよいよ診察台が倒され、器具が口の中に入れられた。
脂汗が、滲んで来る。
遠き日の、己の咆哮が、耳の底から蘇る。
メキメキメキ…という、身の毛がよだつ様な、異音が響く。
痛みこそ感じないが、口の中で、かなり強い力が作用している感触は、ある。
顎を揺さぶられたら、平静を装い続けられるだろうか…。
喉元までせり上がった悲鳴を必死で飲み込み、目を固く閉じた。
『はい、取れた』
え、もう!?
驚いて、目を見開いた。
恐怖に雁字搦めにされていたわたしでさえ、『早っ!』と思う程、鮮やかなお手並みだった。
『ほら』
ピンセットで摘んだ歯を、先生が見せてくれる。
磨き難い歯だっただけあり、煙草の脂が、とても汚い。
けれどもその形状は、どこにも損傷がなく、完全な歯の形をしており、思わず見入ってしまう程だった。
『持って帰る?』
『あ、はい』
当たり前の様に訊かれたから、こちらも当たり前の様に返事をした。
先生は、チャック付きのビニール袋に、ポトリと歯を落とした。

抗生物質と、頓服の鎮痛剤を受け取って、帰途につく。
リビングで寛ぎながら、ビニール袋に入れたまま、血に塗れた歯を眺める。
次に歯医者に行った時は、もう今まで程には緊張しない様な、そんな気がした。

  抜歯が終わりました。
  抜いた歯、貰ってきましたので、
  今度お逢いする時、ご覧に入れますね。


彼に、報告メールを打つ。
間髪入れずに、返事が来た。

  いらねえよ!
  こえーよ!


目を、瞬いた。
…そうか…無反応だったのは、怖かったからなのか…。
何が、怖かったのだろう?
歯医者?
抜歯?
それとも…わたし?
次に逢った時、ゆっくり訊こう。
立ち上がって、歯を洗いに行く。
歯根にこびりついた肉片が、中々取れない。
爪で、こそげ落とす。

この歯は、過去に囚われる余り、己を破壊する事しか考えられなかったわたしが…仕方がないから生きている、としか考えられなかったわたしが…生きる事愉しむ事に、積極的になれた、証だ。
早く…
早く、彼のを口でしたい。
気を散らさずに、思う存分…。
そう、思った。




ダイエット

2009/02/25(水) 23:26:37
  来年中に痩せなければ、棄てる。


そう彼に申し渡されてから、約半年が経った。

本気で痩せる事を決意したわたしは、
某ダイエットサイトに登録し、
体重や食事内容を書き込んでいった。

  来年になったら、毎日
  体重と体脂肪率を報告させるぞ。


そう言われた時、彼に、
ダイエットサイトに登録した事を報告した。
当然、そのURLを教える様に命じられた。

書き込む内容に、嘘は書けない。
わたしのどんな嘘も、
彼はすぐさま見抜いてしまうし、
そして、嘘を吐いた事を
絶対に許してはくれるまい。

  お前、夕べは○○食っただろう。

ダイエット日記を更新する前にそう指摘され、
愕然とする事も、あった。
その通りだったからだ。

わたしには、ドカ食いする癖があった。
日記の内容や、わたしの様子から、
わたしがドカ食いするタイミングまで
彼は読んでしまうのだ。

それでいて彼は、一緒に居る時、
わたしが何を食べようが
ダイエットのダの字も言わない。
それを味わう事を、共に楽しんでくれる。
わたしがダイエット中である事を、
忘れているかの様だ。

けれども、区切りとなる重さを切った時は、すぐに

  お前、やったじゃねえか。
  頑張ったな。


と、労ってくれる。


そうして、約半年が経った。

わたしは、7Kg、痩せていた。