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変わる身体

2008/05/20(火) 00:45:07
彼に、この身体を使われる様になってから、彼からまず要求されたのは、柔軟性を身につけることだった。

当時のわたしは、両足を前に投げ出して座った状態で前屈しても、足先に手が届かない程、身体が硬かった。

  色んな体位で使いたいのに、
  こんなに身体が硬いんじゃ、
  俺が好きにしたらお前は苦しいだけだろう。


そう言って彼は、わたしに基本的な柔軟運動を教えてくれた。
わたし自身も、ネットで調べたり雑誌を読んだりしながら、就寝前のストレッチを習慣化させた。

…とは言っても、完全に習慣となったのは、ここ1ヶ月程度の事。
それでもわたしの身体は、前に投げ出した両足の踵を、両手で掴める程度には柔らかくなった。
開脚も、前よりは広げられる様になった。


そして、15回目の逢瀬の時…。

彼は、わたしの中で果てた後、言った。

  まだ逝くつもりじゃなかったんだがな。
  お前が少し柔らかくなったからかな、
  当たったことのない処に当たって、
  今まで味わったことのない感覚で…
  凄ぇ気持ち良かった…。


わたしの方は、例によって例の如く、何度も何度も逝き続けていたから、そんな感覚があったかどうかすら、定かではなかった。

  そうなの…?
  それじゃ、逝くつもりじゃなかったけど、
  逝く事にしたの?
  それとも…?


彼は、ちょっと照れ臭そうな笑みを浮かべた。

  逝くつもりじゃなかったけど、
  逝っちまったんだよっ。



わたしは、彼の性処理玩具。
彼の欲望を満たし、
彼をひたすら気持ち良くさせる事が、
わたしの役目であり、
わたしの悦び…。

だから、少しの柔軟性を身につけた事で、彼の理性を凌駕する快楽を与えられたという事実は、とても嬉しいことだったし、続けてきたことの成果が出て、努力が報われたと感じた瞬間でもあった。

もっと、もっと、
彼を気持ち良くさせる身体になりたい。
もっと、もっと、
この身体で彼に愉しんで欲しい…。

それだけを胸に、わたしは今夜も、自分の身体を変える為の運動に、精を出す…。



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