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2008/04/07(月) 22:01:39
ホテルを出て、いつも夕食を摂る店へ向かう。
ハンドルを切りながら、その日の出来事を回想する。
汗ばんだ時や入浴した時、蝋を落とされた場所に、ピリピリとした痛みがあった。
胸に手を当てて俯くわたしに、
どうした?
痛むのか?
と、訊いた彼の、残酷なまでに嬉しそうな表情…。
わたしに苦痛を与えることを、心の底から愉しんでいるのだと、文字通り痛感したのだった。
ふと、訊いてみる。
血を見るのは嫌だって
言ってなかったっけ?
ああ、あれな…。
車窓の外を眺めていた彼が、わたしの方を向く。
正確に言うとだな。
血が出て、汚れるのが嫌なんだよな。
血そのものが嫌なんじゃない。
…それじゃさ…。
もしかして、わたしに針を刺したい、
なんて事も、考えてるんじゃない…?
おお、よく判るな。
乳首に針を貫通させたい。
彼の口調は、浮き浮きしていると言ってもいい程だ。
わたしは、映画や動画サイトで、残虐なシーンを平気で観ている方だが、針を刺すというシーンだけは、気持ちが悪くなってしまって正視できない。
そんな自分の身体に、針を貫通させられる…。
想像しただけで、軽い吐き気に襲われた。
それは…ちょっと…怖いな。
ま、針はいろいろ危ないからな。
まだ当分はやらん。
心の中で、『「まだ」かよっ!』と、突っ込む。
アナルには生で挿れないと言われ、指を入れる時もコンドームを使う彼を見ていて、アナルについて勉強したのかな、と考えた。
わたしがどこかのサイトで調べた時も、直腸に常駐している菌の怖さについて、注意喚起されていたからだった。
アナルを責め終えると、即座にコンドームをゴミ箱に捨てる様子を見ていても、その手の注意を読んだ事があるのでは、という気にさせられる。
もしもわたしのこの解釈に間違いがなければ、針で責めるという行為も、彼が『出来る』と判断するだけの知識を持つ様になれば、実行される日が来るかも知れない。
その時わたしは、どうするだろうか…。
気を取り直して、話題を変える。
そう言えばTさんは、
露出には興味なさそうだね。
ああ。無い。
俺の感覚では、あれは、何と言うのか…
外に向かって開いているような印象がある。
…なんとなく解る。
特異な性癖を持ってることを、
第三者に知られるかも知れない
危険を冒す、というのか…。
俺の、普通でない性癖は、
普通の性癖を持つ人の前で
出すつもりは無い。
Tさんは、そうだろうと思う。
あと、わたしに、どこそこで自慰を
して来い、みたいな命令も出さないね。
最中の反応を、見られんだろ。
それじゃつまらん。
そうじゃないかと思った…。
何となく、彼の好みを自分が把握していきつつある気がして、嬉しくなった。
また、彼が興味を持てない事に、わたしも興味がない事も、感性が似ている様に感じて、嬉しかった。
何よりも、そういう感性が合う相手に、すぐにめぐり会えた事が、嬉しかった。
彼の、残酷な欲望を知れば知るほど。
彼の、狂気を垣間見れば見るほど。
わたしは、彼に、強く強く、惹かれていく。