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窒息責め

2008/04/04(金) 22:15:38
その日は、新しい責め具が採用された。
蝋燭だ。
わたしが用意して持って行ったのだが、購入してみたら、蝋燭のパッケージに、使用時の注意が書いてあった。
最初は遠い処から蝋を落とす様に、という内容だ。
これは、彼にも読んで貰った方が良い様な気がして、蝋燭を包んであったセロファンだけ剥がして、ケースに入れ直して持って行った。

彼に、ケースごと渡す。
鮮紅色と、暗紅色の二種類…。

  まずはこっちを試すか。

彼は、浮き浮きとした口調で、鮮紅色の蝋燭を選んだ。

  後ろを向け。

両手を背後で縛られる。
その後、ベッドに深く座らされる。

  ライターは何処だ?

わたしは愛煙家だが、彼は煙草を吸わない。

  テーブルの上に…煙草と一緒に…

彼は、蝋燭をわたしの太股の間に挟み込み、ライターを取りに行った。
戻って来て、無造作に火を点ける。

  そのまま待て。

テーブルの方に引き返す彼。
わたしは、太股の間で炎を揺らす蝋燭から、目が放せない。
しっかり支えておかないと、倒してしまいそうな不安があった。
彼は何かごそごそしている。
何をしているのだろう。
ライターなんて、煙草入れに戻さずに、放っておいてくれていいのに。
手の自由を封じられた状態で、火を持たされるのは、不安だし緊張する。
やっと戻って来た彼が、太股の間から蝋燭を抜いた。
ほっとする。
肩を押されて、わたしは横になる。
その下腹部に、彼が馬乗りになる。
目が合った。
彼が、ニコっとした様に見えた。

次の瞬間、視界が奪われた。
ガサガサという聞き慣れた音。
目の前を覆う白っぽい膜。
買い物などで使うビニール袋を、頭にすっぽり被せられたのだ。
ビニール越しに、彼の手がわたしの顔を撫でる。
ビニールが、顔に張り付く。
呼吸をすると、鼻と口をぴたっと塞ぐ。
一瞬、パニックに陥りかけた。
けれども、叫んだりしたら、より多くの空気を必要とする。
その時にビニールが張り付いたら、益々パニくるだけだ。
そう思い至って、悲鳴を飲み込んだ。
ビニールが張り付かない様に、ゆっくり、そっと息をしようとした。
無駄な努力だった。
ビニールは、どんな小さな空気の動きも見逃さない。
イヤイヤをする様に、首を振ってみた。
小さな空間を見つけた。
そこにはまだ、酸素がある。
ほっとして数回呼吸をした処で、彼がその空間を潰してしまった。
再び顔に張り付くビニール。
苦しい。
もう一度首を振る。
また空間を見つけた。
今度は、そこで休憩しているのがバレない様に、そっと、そぉっと、息をする。
無駄な努力だった。
彼の手が、容赦なく空間を押し潰してしまう。
首を振っても、次の空間が見つからない。
苦しい。
苦しい。

ふっと、頭の中で声がした。
『もういいじゃん…』
そうか…もういいか…こんなにじわじわ呼吸が出来なくなるなんて、ちょっと苦し過ぎる気もするけど、でも、もう、いいよね…。
身体から、力が抜けた。
抵抗する気力も、抜け落ちた。
もういいや。
じっと待っていよう…。
その時、別の声が聞こえた。
『彼にやらせる気か!』
はっとした。
そうだ。
彼を犯罪者にしない。
そう決心したばかりじゃないか。
首を振る。
めちゃくちゃに振る。
足もばたばたさせたと思う。
声を出したかどうかは、憶えていない。

突然、ビニール袋が取り払われた。
冷たくて新鮮な空気が、美味しかった。
激しく呼吸しながら、彼を見上げる。
黒曜石の様な、感情の一切が消え去った瞳。
うっすら笑みを浮かべていた。
その表情を見て、彼が愉しんだことを知った。
わたしも、微笑んだと思う。
わたしを我に返らせた声は、Sさんの声に似ていたような気がした。

彼の手に、蝋燭が見えた。
瞳はまだ黒曜石のままだ。
わたしの乳房の上に、蝋燭を掲げる。

やっぱりいきなり乳を狙うか…。
おまけに注意書きも無視だな、この距離から落とそうだなんて…。
まあそれは、予測していたけどさ…。

心の中で呟く。
滴り落ちてくる蝋を見ながら、わたしは全身を緊張させた…。




コメント

窒息責めですね。
我慢の限界を超えた苦しみの中、抵抗する力が抜けたというのは酸欠によるものだったのでしょうか。だとすると、我慢の限界を超えてから袋を取ってもらえるまでは相当の苦しみだったと思われるのですが…
また、苦しんでいたのは時間にしてどの位だったのでしょうか。

私が思うに、ビニール袋での窒息責めは完全窒息よりも苦しいですよね?

ゆうさんへ

コメントありがとうございます。

抵抗する力が抜けたのは、酸欠のせいではなく、わたしの自己破壊願望…はっきり言ってしまうと…自死願望の強さゆえです。
苦しんでいた時間は、とても長く感じましたが、おそらく1分以内ではないかと思います。
完全窒息は、経験した記憶がありませんので、比較しようがないのです。

また覗いてやってくださいませ。

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