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縛られて 責められて

2008/04/03(木) 21:56:06
彼が、鞄からロープを取り出す。
お気に入りの生成りの綿ロープだ。
わたしをベッドに腰掛けさせ、両手を前に出させる。
怖いくらい真剣な目つきで、口を開く。

  ひとつ言っておく。
  絶対に、我慢するな。
  変に痛かったり食い込んだりしたら、すぐに言え。
  いいな?


  はい。

わたしの手首を、縛り始めた。
手錠結びをしようとしている。
完全緊縛マニュアル 初級編で見た縛り方だ。
彼は、わたしの両手首に素早く縄をかけられる様、練習しているのだろう。

  もう少しこっちを長く、か…。

などと呟きながら、作業に没頭している。
縛っては、少し思案して解き、再び縛っては解きを繰り返す。
やがて、手の縛り方には満足した様だ。
今度はわたしを仰向けにし、足を高く上げさせ、両足首を縛り始めた。
縄を回す長さを調節しながら、足でも何度か縛ったり解いたりを繰り返す。
そしてわたしの足を曲げさせ、腕を上げさせ、足首を縛った縄と、手首を縛った縄を背後で結ぶ。
わたしは、弓のような形になった。
完全緊縛マニュアル初級編では見た事のない縛り方だった。
縛られながら、眠い様な、蕩ける様な、不思議な感覚が襲ってくる。
彼がアイマスクを取り出して、わたしに付けようとした。
首を振る。

  要らない…。

  写真撮るぞ。いいのか?

  …要らない…。

縛られている時の、自分の表情を全部見たかった。
アイマスクをしていては、顔の半分が隠れてしまう。
どこかで彼が、わたしの素顔の写った写真を悪用するんじゃないか、とか、そういう類の心配は、最早微塵もしていない。
だから、顔を隠す目的だけでアイマスクを付けるのは、嫌だった。

写真を撮り終わった彼が、わたしの乳房に食らい付く。

  あ…ああぁ…あ…

喘ぎ声が漏れる。
四肢に力が入り、縄がギリギリと食い込んでくる。
その痛みよりも、乳房への愛撫で得られる快感の方が、勝っている。
もっと続けて欲しい…もっと…。
しかし彼は、すぐに身体を離すと、縄を解き始めた。

  大丈夫か?

  少し、食い込んでる…。

  そうか…。
  こっちに来い。


自由になったわたしを、ベッドの別の場所に座らせる。
右足首の外側に、右手首が来る様な姿勢をとらせ、そこを縛り始めた。
左足首と左手首も、同じように縛られる。
わたしを仰向けに転がし、膝を掴んで左右に押し広げる。

  ちゃんとストレッチしてるか?

  …時々…。

無言でわたしを軽く睨む。
思わずそっと目を逸らした。
それぞれの縄尻を、ベッドの足に固定する。
膝を閉じる事ができなくなり、わたしのヴァギナはむき出しだ。
そんなわたしの足の間に、彼が座った。

  ああっ!

驚きの混じった声が漏れた。
彼が、ヴァギナに舌を這わせたからだ。

夫との性交渉が途絶えた理由に、夫が舌を使わなくなったというものがあった。
まるで、お前は汚いからと言われている様な気がして、とても悲しかった。
子を孕ませる為の義務感で抱かれている様な気もして、それも悲しかった。
どうして舌でしてくれないの、とは訊けず、セックスの度に、わたしは夫にとって汚いのだ、と思わされるのが嫌で、さり気なく交渉を避ける様になってしまった…。

サディストの男性がクンニをするのは、とても珍しい様な気がした。
意外に思いながらもそれは、大きな快楽をわたしに与えてくれる。
彼の指は、クリトリスを擦っている。
気が変になりそうだ。
身体が跳ね上がる。
縄が食い込む。
悲鳴が出る。

  何もかも丸見えだぞ…。

彼が、ニヤリと笑って囁いた様な気がする。
よく憶えていない。
気のせいかも知れない…。


  大丈夫か?

彼の冷静な声で、朦朧としていた意識に焦点が復活する。

  右手が、痛い…。

  右手か。

彼が手早く縄を解き始めた。

  あ。こっち左だ。

先に左手を解放してくれた。
落ち着いて見えたが、実は焦っていたのかも知れない。
わたしは思わず、くすっと笑ってしまった。

その後ふと、申し訳ない気持ちが襲って来る。
本当なら彼は、もっと色んな縛り方で遊びたい筈だ。
けれども、わたしの身体の硬さを見て、無理をさせまいとしてくれている。
毎晩、お風呂上りにストレッチをしようとして…何やかややっているうちに、すっかり忘れて寝入ってしまう。
これは、わたしの脳の構造上の問題もあるのだけれど、それにしても、彼の玩具としての自覚が足りな過ぎる…。

それに…。
彼が満足出来ない遊び方即ち、
わたしの願望の消化不良…。
もっと壊れたいのであれば…
玩具に徹する事の出来る身体にならなければ…。

彼の腕の中に抱かれながらわたしは、そんな事を、考えていた…。




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