2ntブログ

スポンサーサイト

--/--/--(--) --:--:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スカート効果

2008/04/02(水) 20:43:13
服を着たまま、何度か彼に貫かれる。
逝かない彼とのセックスは、いつ終わるとも知れぬ、甘美な拷問だ。
どのタイミングで彼がわたしを突くのをやめるのか、判らない。
汗が流れ落ちても、彼の許しがなければ、服も脱げない。
どのくらいの時間、貫かれていただろうか…。
彼の命令通りに体位を変え、服を脱ぎ、いつの間にかわたしは、首の革紐を残して全裸になっていた。
達し続けて、もう声を上げる事も出来ない。
力の入らない身体に鞭打って、彼の抽送に必死で動きを合わせる…。

  少し休むか。

彼が、わたしから抜け去り、ミネラルウォーターのボトルを手に取る。
口移しで水をたっぷり飲まされた後、わたしはぐったりと彼の横に寝そべった。
彼も、ゆったりと身体を伸ばし、わたしを抱き寄せる。

  これが付いている間は…あなたを
  何と呼べばいいですか?


そっと首の革紐を指でなぞる。
彼が、はっと身体を起こした。

  外してやる。

首から枷が、外された。

  今日も仕置きしてやるつもりだったのに、
  お前のスカート姿を見たら、怒りが半減した。


そう言って、無邪気な笑みを浮かべる彼。

  …スカートなんか、何十年ぶりって勢いで、
  凄く恥ずかしかった…。


プライベートでスカートを穿いたのは、20年ぶりくらいか。
礼服ならその間数回着たが、くるぶしまであるスカート丈なので、あまりスカートだと意識しないで済んでいる。

  なかなか似合ってたぞ。
  そそられた。


  ほんと?

  うん。

わたしは起き上がって、彼にキスをする。
嬉しい時、幸せな時…獣の様に、身体を使って表現するのだ。
彼の、応えのキスを受けた後、再び横になって話題を戻した。

  わたし…Tさんを『ご主人様』とは
  呼びたくないな…。


  ああ、俺もそうは呼ばれたくねえ。

間髪入れずに、彼が答える。

  どうして?

  何か…軽く聞こえるんだ。

わたしは考え込む。

世のM女性たちの中には、自分の相手を『ご主人様』と呼んでいる人も、少なくない。
その人たちのブログなどを読んでいれば、その女性が本当に真剣な気持ちで、心から『ご主人様』と呼んでいる事は、よく解る。
けれどもわたしにとって、彼は『ご主人様』ではないのだ。
例え、同じソファに座る事が出来なくなっても。
無意識に敬語を使って話していても。
彼は、わたしにとって、もっと違う存在だ。
言語化が非常に難しいのだけれど…。
そんな彼から『ご主人様と呼べ』と言われたら、きっとわたしは落胆しただろうと思う。
しかし彼も、『ご主人様』という言葉には拒否反応を示した。
彼とは、非常に感覚的なものを共有している…。
そういう気がして、嬉しくなった。

  ま、何と呼ばれたいか、考えておく。
  それからな。


彼の、声の調子が変わった。
彼も、何事か考え込んでいた様子だ。
思考を打ち切って、別の話題に転じようとしている。

  厳密に言えば、時間が遅かった事に
  怒ったんじゃない。
  お前は、お前が目覚めた時間に起きて、
  こっちに来ればいいんだ。
  お前にも、体調や都合があるだろう?


  …うん。

  俺が、むかっとしたのは、
  『寝過ごした』だな。
  何故か解るか?


  …緊張感が、足りない?

  そうだ。

  …ごめんなさい。

  今回は許す。
  先週はお前、忙しそうだったしな。
  疲れてただろう。


もともと彼とは、待ち合わせの時間を決めていた訳ではない。
それなのに、時間が遅かったから怒る…というのは、多少理不尽ではないか、と感じる部分も、わたしの中にチクチクと残っていた。
その棘が、彼の言葉で氷解していく。

  じゃあこれからは、本当は寝過ごした時でも、
  それは言わずに『これから行くよ』だけでいいの?


  ああ。
  言わんでいい事は、わざわざ言うな。


  …じゃあ、今日のはわたしの自爆だったのね…。

  そういう事だ。
  お前がスカートじゃなかったら、
  間違いなく仕置きしていた。


  スカート効果、恐るべし…。

そんなに彼が悦んでくれるのなら…醜い40女のめかし込んだ姿など、周囲にとっては害悪だろうが、彼が『似合う』と言ってくれるのなら…。
もう少し、女らしい格好をしても良いかも知れない。
そんな事を、ぼんやりと考える。

  さて…と。

彼が起き上がった。

  縛るぞ。

わたしも頷いて、身体を起こした。




コメント

呼称

私は今まで「ごしゅじんさま」「(名前)さま」と
誰のことも呼んだことがありません。
そう呼ばれたいという人に出会わなかったんだと思います。
smの行為は主従の関係にあるのでしょうが、
ほかにもしっくりくる呼び方がありそうです。
今、私は先生と呼んでいるけど、先生は「ご主人様」をご希望です。
そうお呼びできることから調教なんだと思います。

らん子さんへ

コメントありがとうございます。
わたしはまだまだ、初心者玩具。
それ故か、『ご主人様』と呼びたくなる心情というものが、
理解できずにいます。
もしかしたら、いつか自然に彼の事をそう呼び、
彼もそれを受け入れる日が、来るのかもしれません。

またいらしてくださいませ。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL:
http://shinobu6478.blog.2nt.com/tb.php/55-b1f10c5c

ご主人さま

 もし、先生が「ご主人さまと呼べ」と言ったら 果たして呼べるだろうか。  ご主人さまってなんだろう。  先生は先生。 団長さんに調...