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2008/03/29(土) 15:55:40
彼は、わたしを完全にモノ扱いしている。
わたしには、それが心地いい。
けれどSさんには、わたしが尊厳を踏み躙られて平然としている様に見え、歯痒いのだろう。
お前、どうしたんだ?
自尊心はどこに行ったんだ?
Sさんは、そう言って苛立つ。
けれどもわたしには、そもそも自尊心というものが、もとから無いのだ。
高校時代、将来の進路を決める時期に入った。
わたしは、絵を描く事が好きだった。
漠然と、そういう方面での進路を希望していた。
当然、母親は反対する。
その進路を諦めさせる為に、母親のとった手段は、非道いものだった。
彼女は、わたしの絵を批評し、徹底的に貶めたのだ。
『ここがこういう風なのは、才能が無い証拠。』
『ここに、あんたの性格の悪さが滲み出ている。
こんな絵、誰も見たがらないよ。』
『あ、これ、生きてる人間?
死体かと思った。表現力ないねえ。』
わたしにとって絵とは、自分の精神世界を、何とか形あるものに表現しようとするものだった。
それを貶められることは、わたし自身を貶められる事と等しく、わたしの精神性を徹底的に否定されるのと等しく、自尊心などズタズタになった。
子どもの頃から絵は描いていたから、それまでにも母親の批評を受けてはいた。
『変な絵。』
程度の事は、言われていた。
けれども、わたしを撃沈させるという目的の為に下される批評は、それまでとは比較にならぬ凄まじい悪意を含んでいた。
最終的に、わたしは芸術方面の進路を諦めた。
そして、県外への進学を強く希望する様になった。
このまま母親と一緒に暮らしていたら、わたしはいつか、この女を殺してしまう。
そう思ったからだった。
この時期以降、わたしは、絵を全く描けなくなった。
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