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失望する

2009/12/30(水) 04:25:55
  あの時のお前のメールからは、
  もの凄い「ヤリたい!」って思いが
  ビンビン伝わって来た。
  凄い女が引っ掛かったな、と思ったぞ。


出逢い、抱かれ、一緒に食事をする様になった頃、Tさんからそう聞かされた。

実際、彼とメールをやり取りする度に、わたしの中の肉欲は次々に燃料を投下され、燃え盛り、わたしはすっかり盛りのついた牝猫の様な状態に陥っていた。
それがメールの文面に滲み出したのは、当然の結果だろう。


人は、生命の危機に曝されると、突然の様に性欲が昂じるそうである。

今にして思えばあの状態は、死ばかりを取り憑かれた様に見据え続けていたわたしの中で、生存本能が、必死で最後の抵抗をしていたと解釈出来るのかも知れない、と、思う。


彼と逢った事で、急速に落ち着きを取り戻し、淡々とした日常を送れる様になった頃、Sとの会話が復活した。

その頃のわたしは、まだSに対して抱いていた不快感を、はっきりと自覚出来る状態では無かった。

Sさんのお陰で、わたしは外に出られた。
仕事にだって、ありつけた。
この人は、恩人なのだ。

会話の最中、わたしの心の底で、何かが首をもたげそうになる度に、すかさず己にそう言い聞かせて、その首根っこを踏みにじる。


  なあ、俺さ、落ち込んでいる時に、
  お前にひどい事言った様な気がするんだが。
  あの時は、ホント申し訳なかった。


ある日、Sが突然、そう言い出した事があった。
一瞬怯むが、何でもない事の様に、返答する。

  ああ…
  気にしないで。


  いや、気にするさ。
  あの時、お前の事助けてやれなかったじゃん。


  んー…

わたしは、思案する。

  あの状態は、ね…。
  わたしは、自力で脱出しなくちゃ
  いけなかったんだと思う。


  そなの?

  うん…上手く言えないけど…
  そして、自力で立ち直れたからこそ、
  今、安定しているんだと思う。


嘘だった。
本当は、自力で立ち直ってなどいなかった。
わたしは、Tさんという人をもう見付けていたのだから。

  そっか…
  そんじゃ、あの時の俺は、
  間違ってなかった?


  …うん。

  俺は、逃げたんじゃない?

おや…逃げを打ったという自覚はあるらしい…と、苦笑する。

  うん、違うよ。

この会話の流れで、「逃げたんだよw」とは言えない。

  そっか。
  んーまあなー、俺もちょっと、お前に対して、
  おふざけが過ぎたかなーなんて反省も、したんだぜw


  ああ…あれは、ね。
  Sさんの冗談を真に受けたわたしが悪いんだよ。
  それでわたしがぐちゃぐちゃになったのは、
  わたしの自己責任だから、気にしないで。


  そか、自己責任か。
  自己責任。
  自己責任、いい言葉だなw
  ま、俺も殆ど復活したし、
  今後ともよろしくなwww



「自己責任」の連呼が、わたしの神経を逆撫でする。
逃げたという自覚があるのなら…せめて「あの時は、逃げてごめん」と、ストレートに言ってくれれば良いのに…。
それを、こんな問答で、自分の言動を正当化までしてしまうなんて…。
ざわざわと蠢く感情を、それ以上増幅させぬ様に踏みつけながらも、わたしは、Sに対して失望した事だけは、はっきりと自覚していた。




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