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噛みついて…

2008/05/13(火) 23:58:00
人目のある場所で、普通のカップルの様に過ごしていると、彼が加虐嗜好者だという事を失念してしまう時がある。
それほどまでに、彼が言う処の彼の『鎧』…自身の本性を隠す為に彼が身に纏っている鎧は、違和感が無いのだ。

けれども、ふとした弾みに、彼の本性を思い知らされる瞬間が、わたしにだけは、訪れる。
鎧の継ぎ目から、残虐で冷酷な本性が、滲み出す瞬間が、あるのだ。


夜、車の中で、彼に甘えていた時だった。
わたしは、彼の腕の中に抱かれ、その顔を見上げる体勢になっていた。
ふと、わたしの心に兆した悪戯心…。
と言うより、突然何の前触れもなく、湧き上がって来た情欲…。
これをわたしは、いつもの方法で、彼に示した。
身体と行動で示したのだ。
彼の首に腕を回し、その顎に噛み付くという方法で…。
力を入れたつもりはなかった。
けれど、不意を突かれたからなのか、彼の反応は敏感だった。

  痛ッ
  てめぇ!


次の瞬間、わたしの髪と乳房が、鷲掴みにされた。
暗い中でも、彼の瞳に一瞬怒りが燃え上がり、ぞっとする様な光を帯びたのが判った。
わたしは、すくみ上がった。
髪は下方に引っ張られ、乳房には彼の指がギリギリと食い込む。

  痛い…っ

  いきなり何しやがる…

  ご、ごめんなさい…
  ちょっと噛みたくなったの…


  はあ?

愛しいものを、噛みたくなる衝動…。
これを、どう説明すれば良いのだろうか。
わたしの猫や犬も、時々突然わたしに噛み付かれ、『何なの!?』という顔で、逃げていく事がある。
被虐者のわたしにも、加虐嗜好が僅かながらも存在しているのだろうか…?

彼が、ニヤリと笑う。

  お前は牝犬だからなぁ。
  噛みたくなるんだろう。
  それに…。


乳房を掴む手の力は緩まない。

  ここんとこ、お前を責めてねえからな…。
  自分からこうやって、次は責めて下さいと
  哀願してるんだな?


  え…ち、違う…。

低く囁く彼の声には、わたしを甚振るネタが出来たという愉悦が滲み出している。
その声に混じる独特の濁りは、わたしを恐怖で震わせると同時に、神経毒を注入されたかの如き、不思議な金縛りと陶酔感をももたらすのだ。
掴まれた髪が、乳房が、痛いのか気持ちいいのか、判らなくなる。

  違わない。
  お前の心は解ってる。
  次を楽しみにしておくんだな。
  たっぷりと責めてやる…。


残忍な笑みと共に彼がそう囁き、やっと髪と乳房から、彼の手が離れたのだった。


咄嗟の反応で、相手の髪や乳房を掴むだなんて…普通はしないのではないだろうか…?
短時間の出来事だったが、この時の彼の行動には、本当に驚いた。
それと同時に…いかに人前では明るくて気さくで優しげであろうと…咄嗟の行動で、隠し持っている残虐性と攻撃性が噴出する彼に対して…彼のこの二面性に対して…改めて、魅了されてしまった。

鎧も、本性も…知れば知る程、わたしは彼に、のめりこんでゆく…。




コメント

楽しいブログなんでコメントさせてもらいま~す♪私もブログ書いてますよ!更新楽しみにしてま~す。お互いがんばってブログ書きましょ♪

沙希さんへ

コメントありがとうございます。
楽しんでいただけた様で、嬉しいです。
また覗いてやってくださいませ。
こちらからも、お邪魔させていただきますね。

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